膵炎(すい臓)の治療例・針灸(その1)
レントゲン拒否で不機嫌になる医者

やや肥満気味でメタボリックに引っかからないかを気にしていた女性(45歳 事務職)は自律神経系の不調から時々来院していました。ここ数ヶ月は調子がよく、鍼治療を休んでいました。
ところが何の前触れもなくたびたび背中に痛みが走ります。気になって整形外科を受診することに。医師は問診票を見ただけで、レントゲンを撮るといいます。
痛みの起きる場所に触れる事(触診)もなく、レントゲンを撮るというのはおかしいのではないかと伝えると、医師はあからさまに機嫌が悪くなり「患者が拒否する以上、診療の継続はできない」と、一度も患部を診ることなく「湿布と痛み止めだけはだす」といいます。女性はそれも断り帰りました。
姿勢の問題ではない
怒りと共に来院。症状をじっくりと聞き出します。
屈んだ姿勢から起き上がるときに痛みが起こり、前触れもなく突然です。座っている時間が長いから、姿勢が悪いからなどと「思い当たる」ことを訴えますが、痛みが起きる箇所が第10胸椎(以下T10)あたりであることから、それだけではないというのがプロの見立てです。突然訪れる痛みから、いつも何となく漠然とした不安を感じていると吐露します。
脈でわかる糖の代謝異常
この方の筋肉は痛む場所だけではなく全体的に硬いのですが、圧痛は背骨の際に一カ所確認されるだけで、痛みの場所を少し押しても身体をよじる程度です。
立ち上がって背中を動かしてもらうと、少しだけ頼りないような違和感を覚えるといいます。
脈の状態を診ると胃腸疾患特有のねっとりした脈。腹部を診ると、胃腸疾患特有の場所に強い反応あり、足のツボを押さえ、腹部の強圧痛を再び確認すると痛みが半減します。脈を診た時点での疑いが確信に変わります。糖の代謝異常です。
すると背中の痛みの原因も糖代謝の低下である可能性が高まります。
糖の代謝異常に針治療開始
お腹の圧痛を緩める足のツボに鍼を留め、筋、靱帯への酸素供給のツボへ浅い鍼。お腹の圧痛が7割くらい軽減したので、腹の主要穴に小さな鍼を固定。
起き上がって、背中の頼りなさを確認してもらうと、ベターな感触を得たので背部の治療に移ります。針治療は一方的に鍼を刺すことはなく、症状と状態を見ながら行うものです。
T10とT11の椎間が非常に狭くなっているので、臀部のツボで腰椎4番周囲の硬い筋肉を緩めておいてからT10、11間に特殊鍼法を浅く小刻みに。人間の身体は全身が繋がっており、「患部」を治療するのに遠い場所から攻めることもあります。
最後に肩こりの治療を加え、起き上がってもらい、背中の違和感の確認。背中のコリ感と不安定感は取れスッキリしているといいます。
膵炎治療の注意事項
痛みに糖がかかわっているとすると簡単には治りません。治療だけではなく食生活の見直しは必須です。料理での糖の使用を最小限に抑えるようにアドバイスします。食生活の改善は家族中の健康にも影響します。
お菓子とジュースは禁忌(タブー)としました。「糖」ですから。
週に一度、2ヶ月ほど治療を続け、その間に痛みは一度も出ず、腹部の圧痛が気にならなくなったところで治療を終了。
理由の思い当たらない筋肉の痛みが頻繁に起きる場合は、どの筋肉でも糖の代謝異常を疑った方が良いでしょう。
夜中のこむら返りは糖尿病の代表的な症候でそうなる前に何とかしましょう。
インスリンを投与されてからではなかなか治せないのです。と、いうより鍼治療で検査数値を改善しても医師はインスリン投与をやめて
くれません。それは「痛み=レントゲン撮影」というような「お約束」のようです。
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