高すぎる不妊治療(不妊症関連ニュース)
年間治療費の総額は平均41万円

調査は不妊の悩みを抱える人の団体の協力を得て、不妊経験を有する男女にアンケート調査を実施した。有効回答366件が集まり、2002年に不妊治療を受療した人の年間治療費総額の最高は225万円、年間治療費総額の平均は41万円であることが判明した。また、不妊治療に対する不満を尋ねた質問では、「納得がいく結果を出せない」が最も多く43・1%、次いで「費用が高い」が多く19%であった。
(4月5日 日本経済新聞 )
妊娠率が上昇する胚盤胞移植には胎児障害のハイリスク
妊娠率が上昇するといわれる胚盤胞移植に胎児障害のハイリスクが伴うーー。
胚盤胞移植は体外受精した受精卵を通常の体外受精より長い時間(約5日)培養してから子宮に戻す不妊治療の一種。浜松市の聖隷浜松病院の調査では、自然妊娠と比較して、胎盤を共有する双子を妊娠する率が11・3倍に及ぶことがわかった。胎盤を共有すると、胎児が栄養不足を起こし、脳障害や死産に至る危険性がある。今回の調査を受け、専門家は全国的な実態調査の実施を訴えているとのこと。
(3月25日読売新聞)
不妊症治療で妊娠した胎児を減らす手術
三つ子で4割、4つ子以上で7割が実施ーー。
不妊治療で妊娠した胎児を減らす減数手術がかなりの確率で実施されていることが明らかになった。
4月5日の読売新聞によると、全国588施設で、2000年から2002年までの期間に確認された三つ子以上の妊娠について徳島大学が調査を実施。その結果、三つ子では519例中37%にあたる191例で4つ子以上では51例のうち73%にあたる37例で減数手術が施されていた。減数手術は母子の安全性を高めるものの、生命を選別するという倫理的な問題が伴う。日本産婦人科学会では体外受精時に子宮に移植する受精卵を3個までにするように告知しているが、今回の調査では4個以上子宮に戻している例もみられた。
変わらない“妊娠率”
3個戻すより4個戻す方が妊娠の確率が高いのかと思って調べてみたら、3個でも4個でも5個でも妊娠率は30%だそうな‥。2個では妊娠しにくいため3個というのが婦人科学会のお勧めらしいが、それなのに4個戻している医師がいるのは驚きだ。
治療じゃないでしょ
「治療」の意味は三省堂の大辞林によると「病気を治すこと」とあります。よほどひねくれた解釈をしない限り不妊治療と言うのは、妊娠出来ない体を妊娠できる状態に戻すということになります。
なのに………体外受精は、不妊の原因が卵管閉塞とわかっていても、卵管閉塞という原因そのものは「治療」せずに放置しています。(同じようなことは他の疾患でも言えます。例:血圧が高いから原因が何であれ血圧を下げる。痛みがあるから理由は何でもいいから痛みを止める。)体外受精が不妊治療と呼ぶことにかなり違和感を覚えます。
あまりにも安易な…
それではその「治療」の成果はというと、体外受精の成功率は以前は15%位でしたが、近頃は25%に上がってきました。 これは技術が進歩したのではなく、原因のはっきりしない不妊症患者、つまりそのままでも妊娠できたかもしれない女性にまで体外受精を拡大した結果です。
計算ミス?
受精卵を子宮内に戻して出産にまで至る率は15%から20%程度といわれています。15%とすると、7回体外受精・胚移植を繰り返しても、3人に1人の女性は出産にまで至れないことになります((1-0.15)の7乗=0.85の7乗≒0.32≒1/3。本によっては「6回か7回[胚]移植を行えば[赤ちゃんが]生まれるだろう」などと、100%を越えるまで15%を単純に足し合わせればよいような記述がありますが、それがごく初歩的な誤りであることはいうまでもありません。
不妊症という病気の治癒を
ある偉い方が、「不妊治療は高額だから健康保険で」と言っていましたが、成功率が2〜3割のやってみなけりゃわからない実験医療にお金をかけるのではなく、不妊症を引きおこす様々な問題や原因の究明、指導、そして治療に力を注ぐ方が先。
不妊症だから体外受精というのではなく、不妊症という病気を治すことを優先していただきたい。
私はそれが医療だと思います。
もうひとつ大事なこと
不妊といえば女性ホルモンに注意がいきますが、実は甲状腺ホルモンの不調による不妊症も年々増えています。
私たち鍼灸師の仲間内では「隠れ甲状腺異常」と呼んでいますが、未だ発病に至らない甲状腺の軽度の異常も原発事故以来無視することができません。
人体への影響が東京でも確実に現れています。
甲状腺異常による不妊についてはこちらに記しました。