お灸の歴史
お灸療法は、紀元前1200年頃の中国の古い書物に記されています。約5000年前のエジプトでも使われていました。日本では奈良時代の大宝律令に国家の医療として確立され、江戸時代に最も盛んになりましたが、明治維新後に訪れた西洋風潮に勝てず、衰退を余儀なくされてしまいました。その後、昭和末期まで西洋医学が主流でしたが、近年薬の副作用や、手術後の後遺症などの不安から、現代医療を避け、漢方薬や鍼灸治療などの穏やかな医療を選択する人が増えてきました。おもしろいことに、この傾向は欧米で始まりました。効果のある治療を積極的に取り入れる柔軟性はお手本としたいところです。そして日本でも、手軽に出来るお灸治療が見直され、静かなブームを呼んでいます。
お灸の種類
灸療法の種類
透熱灸:米粒大かその半分くらいの大きさのもぐさをピラミッド状にひねり、ツボにのせる。線香で火をつけ、もぐさが燃えつきてから取り除く。お灸のあとがつく。
知熱灸:透熱灸と同じ要領で点火し、燃え尽きる直前、熱さを感じた瞬間に指で押し消す。透熱灸よりも刺激がやわらかい。
間接灸:皮膚ともぐさの間にショウガやニンニクなどの薄片やみそ、塩、湿紙などを置いて行う方法。不妊症や慢性病、冷え性にとてもよい。
お灸の効果の科学的理由
1火傷毒ヒストトキシンによる排毒作用
2火傷刺激による新陳代謝の促進
3 火傷反応による免疫力の爆発的増進
4新生血管による血行の恒常的回復
5ツボ(経穴)による自律神経の反応
これらはすべて火傷による反応で、熱刺激による効果はではありません。いま流行り跡の付かないお灸ではこの理論は参考になりませんが、ツボ刺激による効果と温熱効果は期待できます。
灸という字は「久しい」に「火」。「久しい」の意味を国語辞典で調べると、多くの時間を必要とします。昔からのなじみである。時間が長く経過する。長い時間たつ、との説明があります。
お灸は血液の毒素を排し、血管を創り、周辺の細胞を代謝させて、新たな組織を構成して効果を出します。その部の組織を丸ごと創り変える治療ですから、時間を要するのです。経験では冷えを改善するのに最低3ヶ月かかります。しかし、治れば効果は長続きします。
切りもぐさのひねり方を説明いたします。
- 切りもぐさをひとつ外し、指先でころがしながら先を尖らせる。
- 尖らせることに執着すると先細になってしまうので適当に。
- ひねったもぐさの半分をちぎり、ツボに乗せる。
- 線香で点火。熱さを感じたら押し消す。
- 残りのもぐさを軽くひねり、先を尖らせ ‥以下同様に行う。
お灸の回数(壮数といいます)
初めは3〜5壮から始めて下さい。
慣れてきたら7壮くらいが適当です。(すえる場所によって壮数は変わります。専門書を参考にしてください。)
お灸は火を使うので陽の性質を持っています。陰陽論で陽は奇数ですから奇数壮のお灸を施します。ですから、3〜5とあれば奇数ですから3壮か5壮ということになります。
・発熱時や動悸・めまいの激しい時は避ける
・顔や首の前方、妊婦の下腹部などには灸をしない
・飲酒後やひどい疲れ・空腹時は灸をしない
・お灸をすえた後、ひどいだるさが残るようであれば、回数を減らしたり、日にちの間隔をあけたりする
お灸はもぐさを皮膚にのせ、燃焼させるため火傷が起ります。温灸であっても火を使う以上は火傷の可能性があります。皮膚を火傷にて損傷することが不利益とお考えの方は、この療法をご遠慮ください。お灸の良さをご理解いただける場合は、自己責任でおこなってください。また、自分以外の人にお灸を施す場合は、上記のリスクを説明し、合意の上でおこなってください。







