
傷
ケガによる傷や手術の傷跡は時に健康に大きな弊害をもたらします。数ヶ月経っても未だ赤黒く後を残している傷や、皮膚面より盛り上がっていたり、明らかに引き攣れているとわかる様な傷だけでなく、小さく目立たなくても皮膚に違和感の残っているものや、傷面やその周囲を押して圧痛のある場合は病気の回復を遅らせたり、あるいは新たな全く別の症状を引き起こしたりすることがあります。
手術などの目に見える傷ばかりではなく、骨折や打ち身による内部の裂傷や損傷、予防接種の痕も同じことが言えます。
最近、若い人たちの間でへそピアスが流行していますが、下腹部の血流を妨げ、生殖器系に多大な影響を与える可能性があります。
ケロイドや隆起した傷は、皮膚の再形成の過程で大量のコラーゲンが集まり、本来の傷よりも広い範囲に傷跡を残します。
これは自律神経障害、低血圧、結合組織の弱体化など、傷をうけた後の皮膚の環境に問題があると考えられます。
現代医学では、ときに傷の回復にステロイドが使われますが、傷の治療としては効果はなく、頻繁なステロイドの使用は傷にくぼみを生じさせ、二次的な障害をおこすこともあります。
傷による局所癒着が周囲組織を引っ張ると、筋や機関の機能を損ない、循環や呼吸他のあらゆる働きに影響します。
癒着は常にストレスを感じることになり、長い年月悩まされることにもなります。自覚がない場合はさらに複雑です。
傷による影響の特徴
・傷による影響はときに傷とは別の場所に、数年後、あるいは他にケガを起こした後に出ることが多い。
・傷を再生する結合組織は全身に張り巡らされているため傷の影響はからだ全体に作用する。
・皮膚筋肉を引っ張るため姿勢の変化や関節機能の低下等が起きやすい。
・胃や子宮、卵管、膀胱などの中空機関に影響が出やすい。
・副腎機能に影響(ストレス)→免疫力の低下
・東洋医学理論である経絡現象の基礎を妨げる。
婦人科の手術は、美容的観点から下着に隠れるように、横に切開することが多くなりました。
皮膚は横に切られますが、内部の筋肉組織は縦に切開します。
これは傷が縦横二つあるのと同じで非常に始末が悪くなります。
何気ない症状がなかなか治らなかったり、頑固な慢性病がある場合、体に傷があればその傷の状態を見直してみることが大事です。
数ヶ月〜何年もたつのにいつまでも赤い傷や膨れ上がっていたり、圧して痛かったりする場合は傷自体も今だ治っていないことを現しています。
鍼灸で傷を治療すると、赤黒い傷が周囲の皮膚と同じように回復していくことを多く経験します。
それに伴って傷が原因の慢性疾患が楽になって行きます。
傷自体、傷による二次的な不快な症状や疾患を治療できるのは、今のところ鍼灸治療以外にはありません。
参考文献:Kiiko Matsumoto Clinical Strategies Vol.1
傷の鍼灸治療は傷そのものにもアプローチしますが、その前に傷が治りにくい原因に対して治療します。
鍼灸治療が様々な疾患(例えば現代医学が見放したものでも)に有効なのは症状だけに的を絞るのではなく、病気の原因や要因を治療して行くからです。
傷へのアプローチ
瘢痕組織を物理的に壊すことで血流を改善して行きます。
毒素の排出を促し、栄養を与えます。
これを繰り返し行うと傷は小さく目立たなくなります。




